梅雨が長かった影響でなんだか夏が「やっべー遅刻遅刻!!!!!!」とスライディングしてきて急に暑くしてきたと思ったら、すぐに秋の気配を連れてきて、お空はとても夏らしい空をあまり見せることなく今年の夏が終わりそうです。
変則的な気候の中、いかがお過ごしですか。
昨日やっと夏らしい濃い青と入道雲がぷかぷか浮かんだ空に出会えました。ヘビ子です。
たまにはデザイナーらしい投稿を、と思って三日前に発表された2025年大阪・関西万博のロゴのお話を。
と言ってもデザイン的にどうのこうの、というよりも、このデザインが「どう受け入れられたのか」についての個人的なまとめです。
Twitterに住んでいるので、今回はツイートの埋め込み多めでお届けします。
初手「正気か?」って思った
一番初めに目にした時は「おおうなんだこれはミギーか?」という印象だった万博ロゴ。
これを読んでいるあなたはご存知ですか?
「いのちの輝き……?これむしろ弄んでいるのでは?」
「コロシテ…って言いそう」
「キメラかな?」
と、とても好意的とは言えない感想が飛び交った発表当時。
私自身もどちらかというとマイナスなイメージでスタートしたいのちの輝きくんもといその後言いやすいからついたのか「コロシテくん」というあだ名までついたロゴ。
これは失敗だったのでは?と思ったら、ネット民は思った以上に逞しかった。
このモーメントを見て頂けると分かるかと思いますが、ありとあらゆる方向で早速創作を始める。
お裁縫だったり編み物だったり段ボール工作、刺繍、ブレスレット、アクリルキーホルダー、パンケーキアート、クッキー……
いや逞しすぎないか??????
ARまで作っちゃった人いるよ……現世に爆誕してるじゃん……
ここまで来るともう楽しくなってしまって、しかもホットなネタなので私自身のTL(タイムライン)でも関連ツイートがどんどんRTされてきて、一大ムーブメントを起こしていました。お祭りかな?
その中にはこんなものも。
いや普通にかわいいけど???????
この他にも太陽の塔と一緒に描かれているファンアートも散見された。というか多すぎるくらいに私の周囲(TL上での印象です)は皆こぞって描いていた。
ひっくりかえる印象
ここまでくると、もはや「コロシテくん」とはいえなくなってきた。
むしろ現世に爆誕してからいのちエンジョイし過ぎなくらい日本になじんでないか?
自分の中で、びっくりするくらい簡単に「ちょっと……これは……」みたいな気持ちが吹っ飛び、「いのちの輝きくんかわいいね!」という感想に変わってしまった。
それはひとえに、私がツイッターで好意的に受け止めたひとたちの創作物からポジティブな波動を受け取ったからにほかならず、そしてこの時点で、このロゴは「2025年に大阪万博があること」を広く周知することに成功しているのだ。
ここで、最終選考まで残った5案を見てみて欲しい。
この中で、とにかく異彩を放ちすぎている、いのちの輝きくん。
こうしてみると、他のロゴは「よくある」感じのものばかり。
むしろこの中でいのちの輝きロゴはよく最終選考に残ったな?という疑問すら浮かんできてしまう。
そこではたと、逆に考える。
その他の候補は、「よくある」からこそ選ばれなかったのかもしれないと。
ロゴマークというのは〝顔〟だ。
会社、商品、イベント、etc……ロゴを見ない日はまずないだろう。たったひとつの文字、アイコン、集合体が会社や商品を表すものとして世の中に出ている。単体で見ればとても小さく、けれど影響は絶大。
そんな役割を持つロゴだから、このロゴは選ばれたのかもしれない。
だって、一度見たらこのロゴはそうそう忘れられないくらいのインパクトをもたらしたんじゃないだろうか。
逆に、その他候補は1日、もしくは数時間で「よくある感じの」という印象しか残さなかったのではないだろうか。
個人的な感想にどうしても偏ってしまうけれど、この時期に
・2025年に大阪で万博があること
を広く周知し、さらに興味を持った人間がインターネットを介して驚くほど多く獲得したことは快挙ではないか。
ちなみに私はそのひとり。めちゃくちゃ興味がわいたので2025年の万博にはぜひ足を運びたいと思う。
人間というのはあまのじゃくなもので、第一印象がマイナスだとその後何かポジティブなことがほんの少しでも起こると、簡単にその印象を良いものに感じる傾向にある。(ゲインロス効果)
めちゃくちゃ踊らされてる。
私単純すぎワロタ。
ここでふと、果たして最初のポジティブ意見は「本当に善意の一般人からの波及だったのか」とかを考えると闇が深いような……
自然発生した「予測していなかった波及」なのか、ある程度「初速を作った波及」なのか、と考えだすと面白いなあと思います。
もし、ゲインロス効果を狙ってのこと、というか見た目から受け入れがたいだろうからこその方策をしいていそうではあると思っちゃうんですけど……考えすぎですかね。
都市伝説のようですが、真相は闇の中。
でも私は素直に好意的にみますよ。いのちの輝きくんやべ~な~。
ちなみに、このロゴの選考委員には漫画家の荒木飛呂彦氏や、元サッカー日本女子代表の澤穂希氏などがいらっしゃいました。
ちょっとこの選考結果に納得がいった気がしませんか。
ロゴマークの製作チームの代表者も、このように言っています。
>「企業さんであったら普通通らないもので、ここまで残ると思っていなかった。こういうものが通る万博にして欲しいなと思った」
https://www.lmaga.jp/news/2020/08/150937/
なにより、生みの親に愛されているのがまた、なんか余計にいのち輝いてんな~!とほっこりした。
「いのちの輝きくん」ってまるでマスコットキャラのように盛り上がってるけど……
ついうっかり、「いのちの輝きくん」など愛称が付けられて親しまれていますが、これ、ロゴなんですよね……
2005年に開催された愛知万博で登場した「モリゾーとキッコロ」のようなマスコットキャラクターはきっと別で今も水面下で企画動いてますよね……
それを思うとなんとも言えない気持ちになりますが、しかしもう手遅れなくらい「いのちの輝きくん」が受肉してしまっているので、マスコットキャラ的な展開もあったり……しませんか。
正直なところグッズあったら欲しいくらいには、愛着がわいてしまった……
2025年には、果たしてどうなっているだろう。
未来は分からない。
だけど、その頃には万博を心の底から楽しめる状況で、そしていのちの輝きくんが話題になった今のことを思い出してくすりと笑いながら、出来れば万博のゲートをくぐりたい。
あと5年、きっと私はきみのことを忘れることなく当日を迎えるだろう。
このロゴは、そんな力をもっていると、そう思った。
デザイナー。趣味は博物館ぶらつき、演劇鑑賞。各種遠征もするタイプ。
ここ数年で息をするようにグッズを買う癖がついてしまった。