きょうもじとじと雨が降る。
世間は梅雨まっさかり。傘が手放せない毎日になってきました。
明日から7月なんですけど……
紫陽花はもう枯れてしまったかしら。
通り道に無いので見れていません。
ごきげんよう、ヘビ子です。
今日は一年ぶりにかなった念願の日のお話を聞いてください。
2021年6月26日(土)
聖剣伝説3オーケストラコンサート
配信~~~!!!!!!!!!!!!!!
わざわざ文字を大きくするくらい嬉しかった。
このコンサートは、待ちに待った、本当に従来のファンからすると信じられない気持ち1000%の奇跡みたいな催しで、本来であれば昨年の2020年5月10日に渋谷Bunkamuraオーチャードホールというさいつよホールでの公演が決まっていたのですがこの状況ですので中止。中止が決まった時にはなんも手につかないくらいショック受けた程度には死ぬ思いをしたコンサートでした。
この記事とかで話しました。
そのコンサートが、配信とはいえ、聞ける。
知った瞬間泣き叫んだのはお分かりかと思いますが、携帯握りしめて「うそお、、、、うそお、、、、」と言いながらとりあえず速攻で視聴チケットを買いました。
お布施のつもりで無駄に倍の額するグッズ付きのセットにしました。だってお金落とせば次もやってくれるかなって……
そして届いたのがこちらなんですが
えっ……………………………………
実物が可愛すぎるのですが……………………………………?
このグッズ、去年のコンサートでもグッズ付きチケットとして売り出していた時にお目見えしていたものなのです。
一年経って日の目を見てよかったねえ;;;;;;;;;という気持ちで軽率に諭吉ビンタしたんですがして良かったです。
(もちろん冷静に考えれば昨年分をただ在庫処分したかったっていう話になりますし、せっかくのオケ用のリアレンジ代を回収するという目的があるだろうなとは思っています。思ってますが、それでもお金を出す人種がいるのです)
さて今回の配信、録画したものを配信開始の時間からライブ配信をして、以降配信期限まではアーカイブが残る方式です。
とはいえやっぱり配信開始とともに楽しみたい!!!!!!!!!!!!
開始時間の19時までにそわそわして待ちながら、やっぱり、と時間ギリギリで冷蔵庫からビールを取り出しグラスに入れて一人で乾杯していたら始まりました。
影ナレのお約束の文言、予想はしていたけれど、キャラクターたちの掛け合いもあり、その後に楽団員の入場、チューニング、指揮者の入場があります。
そこで粋だなあ、と感じるのは、楽団の紹介の文字が、画面上部にスーファミ時代のデフォルトの深いグリーンに黒に近いグラデーションの入った背景色、ドットの温かみを感じるシルバーの枠が、そして当時のフォントが使われた仕様で現れたのです。
この仕様は、指揮者の紹介、そして曲名の紹介でも踏襲されます。
細かいところに愛を感じてもうその時点で涙腺がまずいことになっている。
気持ちは最高潮以上に振り切れて「むりむりむりむり」と叫びながらTwitterで実況しつつ流れ出る音楽にぼろっぼろに涙を流して聞き入りました。
画面に映るのはオーケストラの演奏風景。そこに重なるように、去年出たリメイク版の画面……ああ、きっと会場で見ていたのなら、楽団の背景にスクリーンを用意して、これを流していたのだろうな、と思える映像。
そして、そこに、全く同じシーンの、スーパーファミコン時代の、ゲームの画面が重なります。
マナの樹から飛び立つ、崩壊を告げるように、何かから逃げるように羽ばたいて行ってしまう鳥、それを追うようにたったよっつの光が飛んでいく。その光はマナの女神の力のかけらのフェアリー。
繰り返し、何度も見たオープニング。何度も聞いた曲。
ああ、なんで、拍手が聞こえないんだろう。そればかりが悔しかった。
そうして重ねてうつされることでより分かる、リメイクのあり得ないくらいに原作を踏襲した画面作りに声も無くなる。のどの奥で変な音が出た。
気が付けば泣いていた。涙が溢れて仕方が無かった。たぶんきっと会場で聞いててもハンカチはびっしょびしょになっただろう。顔面は崩壊してひどいことになっていただろう。実際その時の顔面は酷いことになっていた。ごまかすみたいにビールを飲んだ。すごくおいしい。
配信のいいところはそういう所だ。
画面の前でひとりでいられる。
好きなものを飲み食いしながら楽しめるし、自由に体でリズムを取れる。
同居人がいた場合は見られたらちょっと気まずい思いをするかもしれないけど。
たぶん詳しい曲名を書いたところで伝わるものは知ってる人じゃなければ何も伝わらないだろうし、あまり詳しくは書かないけれど、とにかく、素晴らしい演奏ばかりだった。
あっという間に第一部は終わったし、画面の前で出来うる限り拍手もした。
続く二部でも「ああこの曲が来るのか」と思いながら耳を傾け、クライマックスに近づいていくたたみかけるような構成に、溢れる涙を抑える役目のティッシュは手放せなくなっていた。
今回特筆すべきなのは、原曲をオーケストラ用にアレンジした宮野幸子氏の仕事がめちゃくちゃ私好みの仕上がりだったこと。
人によっては「もっとアレンジを入れてほしい」と感じる人もいるだろうが、私は「原曲に忠実な、遊びの少ないアレンジ」を好むので、今回はとてもマッチしていた。
聖剣のコンサートはシリーズすべてをまとめて開催された2017年のコンサートもある。
そちらもまさに「原曲に忠実な、遊びの少ないアレンジ」で、私はいたく感激したことを今でも覚えている。あの日の「Meridian Child」(聖剣3で私が一番好きなBGM)は私の人生でトップ3に入る素晴らしい演奏だった。
今回のコンサート配信は、一番最後に作曲者、指揮者、楽団員の名前他、エンドロールがあった。
その時に、原曲でエンディングが流れた時、やっぱり、オケとは別に、原曲というのは強かった。スーファミで聞いた音。思い出の引き金。
私はいつまでだって覚えている。
リースが祖国に別れを告げて、橋の上で髪をほどき亡き母の形見のリボンに誓う後ろ姿を。
レトロゲームと言われるようになった、あの時代のスーパーファミコンで、ブラウン管のテレビで映し出されたあの美しい、何よりも美しい、最高峰のドットの景色を。キャラクターを、世界を。
すぎやまこういち氏が言っていた。
「ゲーム音楽は、思い出の再生機である」と。
私自身も、その言葉を見る前から思っていた。
だからその言葉を知った時に嬉しかった。この気持ちは、私だけではなく、ゲーム音楽を愛する皆に等しく訪れる感覚なんだと。
ゲーム音楽は、ゲームのストーリーももちろん、戦闘時の思い出、何度も苦労したボス戦のこと、楽しくてやめられなかったレベル上げのことを、思い出して口元に笑みを持ってくる。
そして、ゲームをプレイしていた当時……親に制限されながらテレビにかじりついてやっていた、自分の、小さな背中であった、その昔と言ってしまえる、もうずっと前のこと。
子供だった自分の隣に、座ることが出来るような時間。
「この曲なんだっけ?」
と自分の記憶と照らし合わせて、見つけた時のうれしさ、思い出せずに検索して「あーーーー!」と声を上げたくなる感覚。
音楽は不思議だ。
きっとこの感覚は、自分の青春時代の流行歌のことを考えると、共感して頂ける方も多いかもしれない。
「この曲の時、何歳だったな、あれも流行ってたな、懐かしいな」
そんな風に、ゲームのBGMを聞いていると当時や、少し大きくなってからやり直した時、そして、去年リメイクをプレイした私に繋がっていく。
それはギフトだ。
思い出補正と笑ってもらっていい。
だけど、あの年代に生まれ、育ち、その当時の年齢で、その時にしか出会えないものと出会った。
そうでなければ、ここまで私の中に残っているはずがないのだ。
だから私は私が生まれた年に生まれ、育って、もちろんこのゲームを教えてくれたきょうだいが居て、一緒にプレイできるシステムであったから、子供の頃にこのゲームを繰り返しプレイして……そうでなければ、受け取ることの出来なかった、偶然が積み重なって貰うことが出来る希少なギフトを運よくもらい受けることが出来た。
そうした出会いが重なっているから、今の私になっている。
少し話がずれるけど、ある時とても良い言葉に出会った。
きっと私の心の椅子に、聖剣3のキャラクターたちが座っていたのだろう。もちろん他の子もいるけど。ピカチュウとか。
私はそこに誰かを座らせることが出来ただろうか。
まだわからない。
きっと、死ぬまで分からない。
だけど周りで一緒に笑ってくれるひとたちがいるから、たぶん大丈夫だろう。
あの時……ちいさなこどもだった時、私が座らせていた彼ら彼女らはその椅子に座って私にいろんなことを教えてくれていた。
今でも私の心の椅子に座り続けている子がいるけれど、声をかけたら笑って席を譲ってくれて、横に立って一緒に笑って話すくらいにはなっていると思う。
やっぱり聖剣3は私にとってとてつもなく大事なゲームらしい。
ひとまず、このオーケストラコンサートの配信のアーカイブを聞き、見ながらいる現在、スクウェア・エニックスのお問い合わせ窓口に、このコンサートのBlu-ray/DVDのソフト化とライブ音源CDの発売をお願いすることにしよう。
ああ、それでもやっぱり、コンサートホールの公式サイトのアクセス情報を確認して、電車を降り、同じ方向に歩いていく全然知らない人の背中を見ながら「あの人はもしかして、同じコンサートに行くのでは?」と考えながら改札を出て歩いて、地図を見ながらホールに着いて、どこから入るのか、に一瞬迷うけど、人の列を見て安心する。
きっとここが入場列なんだろうなと思いながらそこに歩く間、壁沿いや柱にもたれかかって人を待っている塊、友人同士だろう二人が何かを見て笑っている。その手にはグッズが入っていると察することが出来るビニール製のノベルティバッグがある。
入場列に並びながら、やっと入ったホールの入り口でチケットをもぎってもらって、手渡されるチラシ類。
セットリストは見ないようにしながら、チケットの座席番号を確認して降りていく会場内の階段。
「すみません、前失礼します」と言いながら進んでいく座席の合間。自分の席にたどり着いて一息ついて、ふかりと受け止められる座面の柔らかさを感じながら、まっすぐに見る舞台の上。まだ人のいない椅子と大型の楽器類が並ぶだけのそこを見て否応なしに胸が高鳴る。
さざめきがホールの中でこだまして、耳が拾う誰かの会話から漏れ聞こえる「ゲームをプレイした人間なら、だからこそ分かる内容」にとてつもなく嬉しくなるあの感覚。
徐々に人が増えていくホールの中、開演までまもなくを知らせるベル。
忘れずに携帯の電源を切り、手には厚手のハンカチを握ってその時を待つ。
暗くなっていくホールの中、万雷の拍手の中に楽団員が揃い、コンサートマスターが立ちチューニングが始まる、ああ、もうほんとうに間もなくだと感じる瞬間はここで、私はこの音がたまらなく好きだ。
そして指揮者の登場、交わされるコンマスとの握手。
深いお辞儀に拍手で応え、くるりと背を向けた指揮者の腕がそうっと上がる。
そうやって始まる、コンサートの現場に、とてつもなく、行きたい。
もちろん、出来れば、それは聖剣3のコンサートであってほしい。
いつかかなえたい新しい夢。
いつかは、この耳で直接、肌でも感じることが出来る聖剣3の音楽を、浴びることの出来る機会が訪れますように。
マナの樹とマナの女神、フェアリーと、そして勇者たちに祈っている。
デザイナー。趣味は博物館ぶらつき、演劇鑑賞。各種遠征もするタイプ。
ここ数年で息をするようにグッズを買う癖がついてしまった。