雨やばくない?もうちょっとバランスよく降ってくれないかな?と思うことが近年増えてる気がします。最悪な天候の日本列島、皆さまいかがお過ごしですか。
いつでも衝動と勢いでその日の予定を決めることに定評があるヘビ子です。ごきげんよう。
人間は学ばない生き物である。
ということをまた実感する出来事があった。
ある日のこと、急に映画が見たくなって時間を調べたらちょうどよいタイミングで上映があったので見に行っちゃお~^^とチケットを取った。
映画『THE FIRST SLAM DUNK』の。
もはや説明いらないんじゃね、というバスケ漫画の金字塔。
私は漫画を10年前?くらいに全巻読んだけれどもしっかりと内容を覚えるほどは読んでおらず、あとはアニメが夏休みに再放送していた時に見ていた。
覚えていることを並べようと思うと主人公が桜木花道で顔が良い流川楓がいてなんかすごい画力で殴ってくるバスケ漫画……
そのくらいの知識である。
漫画内の名言は覚えていても、試合の結果はまるで覚えていなかった。
めちゃくちゃ軽い気持ちで行った。
なんか初見さんでも楽しんだみたいな感想見るし、このくらいライト層でも多分大丈夫でしょ!と謎の自信で見に行った。
2時間後。
私は顔面をびちゃびちゃにしながら映画館を出て来た。
「頭おかしなる」
とつぶやきながら。
ちなみに動揺しすぎて人生で初めて映画館にスマホを忘れた。
どんだけ。
帰りの電車でずっと感想をつぶやき続けなければ気が済まなかった。
脳が考えることを色々とやめていた。
家帰ってからも脳でずっとコートを鳴らすボールの反響音とシューズの高いいななきが響いていた。
気が付くと翌日のチケットを取っていた。
なんで?
そして思い出す。
ノリと勢いだけで映画見に行ったらよくわからないけど何度も通うことになった過去の私の行動を。
たぶん大人と呼ばれる年になってからはじめにおかしくなったのは2018年公開「名探偵コナン ゼロの執行人」だろう。
Twitterで話題になっていて〝安室の女〟を大量発生させた罪深い作品だ。
なのでその時も、
「ちょうどレディースデーだし時間帯もぴったりだしいっちょあむぴの女になってくるわw」
などという盛大なフラグを建築して映画館に吸い込まれたあと、「顔が良い」としか言えなくなり期間中都合7回見に行った。
なんで?
でもミュージカル公演一回分くらいのお値段で7回も見れるなんてお得だよ……
次は2021年12月24日という罪深い公開日となった「呪術廻戦0」である。
当時原作を何一つとして知らず、しかし前日譚的なやつ?という知識を得たのでノリで行った。
またノリと勢いである。
人間は学べないのである。
そして顔面をびちゃびちゃにして映画館から出て来た私はその後入ったレストランで注文したものが出てくるまでの間にkindleで全巻買った。
こっちは最終的に5回で済んだ。
心残りは4DXでもやっていたのにタイミングが合わず見れなかったことだ。
同じ映画で様々な見方が出来る貴重な体験が出来たはずだったのにもったいなかった……
だがIMAX上映は最高という知見を得た。
そして、2023年の現在である。
今のところなんでか知らないが『THE FIRST SLAM DUNK』は6回見た。でもまだ見たい。
しかも今回は初めて見た日から一週間と経っていない内に3回も見に行ってしまった。
過去一の恐ろしいペースだ。その後は緩やかに二週間に一回とかのペースになったけど。
余りにも初見の体験が劇的過ぎた。
最初にも言ったが私は劇中の試合の結果をまるで覚えていなかった。
それがたぶん功を奏した。
最後の最後まで、あの激しい攻防を繰り返した山王戦をどちらが勝つのか分からない状態で見守っていたのだ。
最後の最後、見た人には通じる言葉で言うが「あの無音の時間」自分の心臓の音の方がデカかったような気すらした。
心臓バクバク。
勝手に目から水が流れてくる。
出来ることなら一緒に拍手したかった。
大声援を送りたかった。
ただ普通にインターハイのバスケの試合を……それもとびきりドラマチックな追いつき追い越しまた追いつき……という熱い展開を見守っていた気持ちになったのだ。
家に帰ってきてからまたチケットを取ったのは、最初に書いた通り「なんで?」と自分でもよくわからない。
ただ、その後に考えると、あんまりにもエキサイト観戦しすぎたせいで「私は本当に映画見て来た?」と記憶が抜け落ちていたのだ。
なので確かめるために翌日のチケットも取った。のだと思う。
もう結果も分かってるし展開も一度は見たから覚えてるから大丈夫!冷静に見れるぞ!というわけである。
確かにその通りだった。
けれども私はまたチケットを取った。
さすがに翌日ではなかったが、二度目の観戦は、あまりにも、充足感が満たしてくれた。
良いものを見た、という充足感で身体がいっぱいになった。
その充足感をまた感じたくて、チケットを取った。
見るだけで満足感と充足感で満たされてサイコーになれるなら1000円は安すぎる。
(映画館の会員になっているので平日は1000円で見れるし休日でも1300円という安さ)
だから、映画を見ることをやめられないのかもしれない。
たまにこういうことがあるから。
唐突に前触れなく完全に油断している時に脳が狂わされることを欲している。
ただのんきに歩いているだけの時に不意打ちで脳天ブチ抜かれて死ぬみたいな衝撃をいつでも待ち望んでいる。
その弾丸は、物語の威力そのもの。
撃ち抜かれて、脳を揺さぶられて、映画館に召喚されるその体験が、一度経験したらやめられなくなった。
そういえば、これまでに上げた作品が全部アニメ作品だけれども、最近は他にも一度では足りなかったので二度見た映画もある。
話題作であるので知っている方も多いと思うが『RRR』だ。
ぜひ〝ご存知〟してほしいのでこれはこれでまたつらつらと書きたいと思っています。
ていうかTHE FIRST SLAM DUNKもRRRもまだ映画館で上映を続けているのシンプル化け物コンテンツなんだよなあ……
映画館でなぜわざわざ見るのか、という疑問を持つ人もいるだろう。
私の場合は、だが、音と映像が良いこと……まあデケエ画面にデケエ良音が響いた場所で見たい気持ちがデケエのもあるのですが、最近は特に「この決まった時間を拘束され作品に集中させてくる」のが意義として大きいのかなと思います。
今や集中を切らすものはたくさんあって、無限に時間をつぶせる。
代表的なものはスマホでしょう。一台あるだけで無限のことが可能になった。
それは素敵なことだけど、変わりに一つに集中するということからは遠ざかる部分がある。
私は愚かな凡人なのですぐに誘惑に負けてTwitterを開いてTL警備に時間を溶かす。
映像を見続けることがどちらかと言うとあまり得意ではない自覚があるため、長めの映像作品を見るときはとにかく腰が重い。
その点映画館は行けば固定されるので集中ができる。
今になってその重要なものを見直している。
作品に真摯に向き合う。
その体験ごと買っているんだと、思いながら映画館に行く。
サイコーを、あるいは最低の体験をするために。
クソ映画見るときは、ポップコーンを買っておく、とかの技術を駆使して。
デザイナー。趣味は博物館ぶらつき、演劇鑑賞。各種遠征もするタイプ。
ここ数年で息をするようにグッズを買う癖がついてしまった。