すっかりこれはもう、冬ですね!!と大声で言えるくらい清々しくも気候は冬です。
当たり前ですね、明日にはもう12月ですから。
寒っ!と言いながら起きることがずいぶん増えました。ごきげんよう、ヘビ子です。
プロフィールに「趣味は博物館ぶらつき」と書いているくせにそのことについて触れていないなと思ったので、かつ今月とってもとってもとっても久しぶりに!やっと!約1年ぶりに!博物館に行ってきましたのでちょっと書いてみようと思います。
「なんだかお堅そう」
「難しそう」
「何が楽しいのか分からない」
そんなあなたに贈る、博物館おさんぽガイドです。
博物館って何があるの?
そもそも博物館って何があるの?どんなものがあるの?
というと、画像で見て頂くのが一番手っ取り早いでしょう。
はい、刀剣、陶器、掛け軸、屏風、漆器など。
私の趣味により写真が偏っていますが……
他にはこんなものも↓
これは2017年にバズった常設展の十二神将像。
展示によっては、このように結構お茶目心があるんです。
展示されているその品物は多岐に渡るの、なんとなくお分かりいただけましたか?
このように博物館は、文化や歴史、民俗などの資料の保管、保存、教育の一環としての展示、のためにあります。
だから歴史の考察、研究のための資料としてあらゆるジャンルのものがあるのです。
たとえば教科書でしか見たことのないこんなものまで。
埴輪!
ライティングのおかげで大変ホラーな仕上がりですが、実物は結構可愛いですよ。
一緒に添えられている簡単な説明文、作られた時期などを見てみると、新しい発見が結構あります。
これとか。
みみずく土偶、と書いてあったので「えーこれみみずくなんだ」と思ったら「形が似てるからみみずくって呼ばれてるよ^^」とか普通に書いてあって「いやそんな名づけかよ」と突っ込みたくなることもしばしば。
でもそれが面白い!(と私は思うので通っている)
私は特に、刀剣、漆器、焼き物を見るのが好きで、そのブースに入り浸ることが多いです。
さて、先ほどから写真をバンバンのせているのは、「東京国立博物館」、愛称は「トーハク」です。
年パス持ってるくらい好きです。
というより、単純に展示替えの内容により年に2回は足を運ぶので、それだと年パス買っちゃった方がシンプルにお得なんです。
通常大人1000円、年パスは2000円。
ね?2回行けばペイ。しかもこれは東京国立博物館のほか、京都・奈良・九州合計4館の共通パスなので、持ってればどこの博物館でも、常設展なら無料で、企画展なら割引料金で入れます。お得!すごい!買うでしょ!!買います!!!
さてここで、あまりなじみのない方からすると「常設展」と「企画展」という区分が謎な方もいらっしゃるかと。
「企画展」はテーマと期間が設定され、そのテーマに合ったものが選出されるため、博物館が所有してない作品も数多く集められ(それこそ全国から!)展示されます。
「常設展」は期間の設定がなく、博物館が所有する作品が主に展示されます。(トーハクの場合は個人蔵なども常設展に出てきます)
大抵の所では、「企画展用の会場」と「常設展の会場」が別で設けられ、料金も異なります。企画展を鑑賞する場合は企画展の方が高い入場料になりますが、おまけで常設展も見れることがほとんどです。
CMや広告を打たれるのは、大抵この「企画展」の方で、例えば「ゴッホ展」や「モネ展」などの画家クローズアップの展示や、先日まで行われていた「きもの展」など、様々な時代のきものを集める展示、などがあります。本当に様々!
その時にしか出ない、また普段は全国にちらばっていたり、めったに見ることの敵わないものも「この企画ならば」と出てくることもあるので人が殺到します。
それでも、見たい!というものがある時は私も足を運びます。
……とはいえ、現在の状況的にはよほどでなければ行かないかなあと思ってもいます。
会場側がものすごく気を付けて下さっているのは分かるのですが、どうしても人が多くなりがちですからね……
と、いうわけで、私はもっぱら常設展の方に行くのですが……………
何がいいって前からとにかく
人がいない!!!!!!!!!!!!!!wwwww
これ、でもすっごく重要です。
だって、どれだけ立ち止まってじっくりじっくり鑑賞していても、他の人が来ることが少ないので、何分でも、何回でも、見ることが出来るんです。
企画展だとどうしても鑑賞の流れ、のようなものが出来て、じっくり見たいなあ、と思ってもゆっくり歩きながら進みながら、ほんの数秒だけ立ち止まるがせいぜいです。下手すると学芸員さんに「立ち止まらないでください」と言われるくらい。
これで、何度悔しい思いをしてきたことか……!
じっくりじっくり眺めたかったあれやこれや……!周回するにも時間が足りなくなったりすることもしばしば……
そして常設展の良いところもう一つは!
写真撮影ができる!
これ案外ご存知ないのでは。
展示の中には撮影NGのものもありますが、その場合は作品名や解説のテキストの所に、撮影禁止マークが掲示してあります。
つまりそのマークが無ければ、撮影は可能。
これまで上げていた画像はすべて、実際に私が展示を携帯で撮影したものです。
おすすめ鑑賞スタイル
大体の博物館には、コインロッカーが会場内に設置されています。
なので……
大体私はいつもこんなスタイル。
冬ならコートやマフラーなどは全部外して、バッグも必要最低限のものを小さなトートバッグに詰め替えて回ります。
3時間くらいはノンストップでうろうろするので身軽が一番です。
びっくりするくらい鑑賞が楽になるので、やったことが無い方にはぜひ試してほしいです!
世界が変わって2周くらいしか出来なかったのに3周するのも苦じゃなくなります。
しかも100円が帰ってくる親切設計……やさしい……(でも私はそのまま募金箱に入れて帰ることが多いです)
結局どうやってまわれば……?
なじみがないとしり込みはしちゃいますよね。でも……博物館や美術館は、なんとなくまわればそれで良いんです。
もし、その時に「ああ、素敵。ちょっと立ち止まりたいな」と思ったときは立ち止まって眺めればいい。
場所によっては、とてもちょうどいいところにソファや椅子が設置してあります。
歩くのが疲れた、この展示をもっとじっくりと眺めていたい、そんな時にはじゃんじゃん座りましょう。
休憩を挟めば、また気持ちを新たに鑑賞することが出来ます。
そしてもっと知りたいな、と思ったら説明を読めばいい。
展示されているものの名前はその展示品の近くに。
もっとざっくりと大きなくくりでの説明は、壁に説明書きが掲示されています。
博物館は、とても静かで、ひたむきに古のものと対話できる場所。
「これが、1000年も前から存在しているのか」
という不思議な邂逅。
私はその感覚が好きで、そして純粋に、展示されているものを眺めるのが好きで、博物館に行っています。
たったそれだけ。
そもそも、博物館にわざわざ足を運ぶ機会というと考えられるのは「鑑賞したいものがあるから」「博物館が好きだから」そしておそらく、「学校の行事で」とかが多いのではないかと思います。
行きたくないのに行かなければならない……今の状況ではそれは無いかもしれませんが、過去にはそんな経験をされた方は多いのではないでしょうか。
もし、今後なんらかの「行きたくないけど行かなければならない」場所に博物館があった時は、なんとな~~くぐるっと一周とか、むしろ回るのすら面倒であれば正直ソファに座ってるだけでもいいんじゃないかなーと個人的には思います。
でも、ちょっと気が向いたら、さくっと一周して、ちらっと展示品を眺めてみて欲しい。
もしかしたら、思わぬところで、あなたの心臓をひっかくような出会いが、100億分の1くらいはあるかも、しれないから。
ただ純粋に「ああ、綺麗だな」と感じることが出来る。
ふと気づく、「これはそんなに前の物なの? 全然そうは見えない」という発見。
「これ手作業で作ったの? 嘘では?」という衝撃。
思いをはせる、過去に。
そしていまに。
だから私は、博物館が好き。
あなたもいつか、現代にあるタイムマシンを歩いてみてはどうでしょうか。
静かで、独特のにおいがして、数十年、数百年、千年の時を超えて現代に今なお残る歴史が、ガラスケースの向こう側から、あなたをきっと、見ているから。
蛇足:四度目の三日月宗近
実はまだ博物館行くのはもう少し我慢しようか……と考えていたら、なんとびっくり、あと1年は出ないだろうと思っていた三日月宗近が出てるというじゃないですか。それだけならまだしも、その名が付いた由来の打除け(うちのけ)がめちゃくちゃ見やすいと評判?????
行くしかないじゃない!!!!!!!!!!
という理由でした。
さて件の三日月宗近。平安の太刀です。私が見るのは厳密に言うと多分今回で五度目なのですが……いっちばん最初にこの目で直に見たのは、記憶が正しければおそらく2007年に開催された企画展「大徳川展」であると思います。
ですがその頃は、他の展示品が目当てで、かつ私は刀剣の鑑賞の仕方を知らずほぼ素通りのような鑑賞しかしていないので回数には含めませんでした。
と、書くと私がいまさも刀剣、それから刀剣鑑賞に詳しいように思える文脈になってしまいましたが、鑑定会に行くでもなく、ふらっと気になる展示の時にただガラスケース越しに眺める程度の目しか持ってません。
とはいえ、先達のお言葉で「刀剣を見る目」というのは見た数だけ肥えるものである、というお言葉を信仰しています。それはその時その時で見え方が全く変わってくるというのです。同じ刀でも。前には見えなかったものが、見えるようになる、という。だったら何度でも見よう、同じ刀剣でもその時その時で自分がどう思うのか、私自身がものすごく興味があるのです。
とりあえず、今回は人も少ないしいつも以上にゆったりと鑑賞することが出来ました。
打除けもしっかりとれた……っぽいと思う!反射するのでやはり難しいのではありますが……
いつ見ても優美な三日月宗近です。今回は不思議なことに少しの勇猛さがあるようにも感じました。以前はひたすらに華奢なイメージでしたけれど。
どちらかというと、私の好みはこちらの岡田切のような、身幅のひろい(刀身の幅が広い)ものが好みなのですが。一文字も好みの刀が多いのですよね……
ここまで書くと分かると思いますが、私が博物館に年パス買うくらい通うようになったのは、刀剣のためです。
南は福岡、北は栃木足利止まりですが、それなりに全国回ってきました。(人生初四国はニッカリ青江目当てで訪れた香川)
情勢が落ち着いたら、また色々巡りたいなと思っています。
これからもいくぞ!全国!
ついしん
刀の展示を見るときに楽しくなるかもしれない小ネタ
刀の展示でこのように刃が上と下で展示されています。
下に向いている方が太刀。主に騎馬戦を行っていた時代のものなので、騎乗した状態で抜きやすいよう武士たちが佩いていました。
上を向いている方が刀(打刀)。時代が流れ歩兵戦が主になった時代、腰に刺し、鞘から抜いてそのまま切りつけやすいように身につけていた状態です。
展示は、上記の理由から実際に身につけられていた時と同じ方向で置かれています。
なのでひと目で「これは太刀」「こっちは刀」と分かります。
もし、何かの拍子に鑑賞の機会があったら見てみてください。
読み返してみたら……あんまりガイドしてないのでは……?
まあいっか!
デザイナー。趣味は博物館ぶらつき、演劇鑑賞。各種遠征もするタイプ。
ここ数年で息をするようにグッズを買う癖がついてしまった。