チケット払い戻しで体感する「感情の変化」と日常に潜む「見えないワナ」

こんにちは、今日で今月が終わりとか信じられない、と月末は毎回思っているヘビ子です。

こんな状況で何を言っているのか、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、趣味は心の栄養ですので目をつぶってください、四月の公演見に行きたかったーーーーーーーーーーーー!!!!!!

今月に!!限って!!人生で初めての!!劇団四季!!さらにはあのグランドミュージカル、エリザベート観劇で憧れの帝劇デビュー!!予定が!!

払い戻し!!!!!!!!!!

泣ける。それはもう泣ける。

とはいえこのご時世、公演自体が中止になるだろうことは予想が出来ました。当たり前です。

けれど人間の心はままならないもので、公式サイトに「公演中止のお知らせ」の文字とリンクを見るとめちゃくちゃに切なくなるし、カレンダーを見て崩れ落ちます。楽しみにしていた予定が自分のミスでもなんでもなく、無くなってしまうことの歯がゆさはきっと今どなたも一度や二度は感じたでしょう。

そうなると必要になってくるのはチケットの払い戻しです。
一部では「これが出演者や興行元の足しになるのなら…」と選んで行わない方もいらっしゃいますが、私は払い戻しを選択しました。その分円盤(DVD)を買います。

この、払い戻しが私にとって想像しないことを体感させました。

いざ払い戻し、だけど……

公式サイトで払い戻し要件を読み手続きをするのが一般的な流れですが、この、作業が、ものすごくしんどかった。

「払い戻しはこちらから」ボタンを押す。
「払い戻しをするにはこの手順で」の説明を読む。
「払い戻し申請用フォーム」に必要事項を入力する。

これ精神的自殺では??

とこの時点で思いました。

大げさに思われるかもしれませんが、ものすごく楽しみにしていた予定を、自分で中止させられるようにすら感じてしまうんです。

これは自分で体感したからこそ思うのですが、ただスマホの画面でボタンをタップするだけ、PCでキーボードで打ち込んでクリックするだけ、ただそれだけなのに……手続きをするたびに心がすり減っていくような気持ちになりました。

「行動すること」の影響力は半端じゃない

この悲しく無生産な作業を繰り返した時ふと気づいたのが、

「行動したからこその心への影響力の強さ」でした。

自分で行動したものは、その分自分に「責任のようなプレッシャー」を与えてきます。
意識してしまわないでも、自然と。

だからこそ「行動させる」というのがいかに大事なのかというのを再確認したのが今回の払い戻しの一件でした。

案件のミーティングで何度も耳にはしていた「見込み客に行動させること」を重点に話していたことがやっと、私の中で線を結んだのです。

チケットの払い戻しはとても悲しいことです。公演日をとっくに過ぎた今ですらふと思い出してため息をついてしまうくらいに。
でも日常にある「マーケの種」のようなものに気づけたのはプラスと言えます。

そうして考えてみると、世の中にはたくさんの「隠れたワナ」があることに気が付き、ちょっとしたクイズの様に感じて楽しくなったものがいくつかありました。
その中で面白かったものを紹介させてください。

年代別、「信頼」を勝ち取るもの

先日、母が熱心に見ていた番組がありました。
その番組が「スマホ講座」
番組内容はいたってシンプルに、高齢者向けのごくごくシンプルなスマホの操作方法をレクチャーしてくれるものです。
それこそ、「ここがホームボタンです、押してみましょう」というところから始めるような番組です。
その内容は、本当に初心者であれば嬉しい内容だと思うのですが、私はその番組で笑ってしまったことがありました。
それが、講師の先生が大学の教授だったんです。

スマホの初心者講座を

大学の教授がレクチャー????????????

罰ゲームかと思いました。

そう笑っていたら番組を見ていた母が

「私は違うけど、同年代は大学の先生が教えてくれるなら、って思う人は多いよ」

と言ったわけです。

またうっかり笑ったのですが、同時に納得もしました。
いわゆる権威付け、というのはそういう層に効くのだなあ、と理解できたのです。

大学の先生が言ったことなら間違いはない、大丈夫!

と安心するのだと。

〝先生〟はすごい、という先入観が根強いのだと知りました。

この番組、これだけじゃなくてもう一つ私に教えてくれたことがあります。

内容的にとても親切に出来ているので、ちゃんとiPhoneとandroid両方の場合で構成されており、それぞれiPhoneは男性芸能人が、androidは女性芸能人が生徒として出演されていたのですが、内容が少し進んで、各ホーム画面を表示したときのこと。

iPhoneは初期設定が済んだあとはホーム画面にスワイプして2スクロール分くらいアプリが並んでいます。
デフォルトで、です。

次にandroidのホーム画面に移った時に、とてもシンプルにメール、ブラウザ、電話、メモの4つしかアプリが無かった時に、そちらを持っていたレクチャーを受ける女性芸能人が
「え!あっちに比べて少ない!」
と不満を漏らしたのです。

少なくとも私の感覚では、デフォルトのアプリが少ない方が良いと感じますし、むしろ率先して使わないものを消します。

しかし高齢者、と言われる年代の方は

「内容はどうあれ、量が多い方がお得だ」

と感じるのだそうです。

その後、件のandroidユーザーの女性芸能人はスワイプすると隠れていたアプリがずらーーーーっと出てきたのに満足して、iPhoneユーザーの男性芸能人に向かって「勝ちー」と言っていました。

分かりやすく数が多い、という点が重要で、本当に内容はどうでもいいらしい……

ここで、通販番組の「これも付けます!」「今だけ!これも付きます!」といううたい文句は、このためにあるのだなあ、と実感しました。
とにかく量が多いということ「だけ」で利点として取る層がいるのですね。
これに関しては年代ではなく性格によるところが大きいかと思いますが…

そしてこのスマホ講座番組自体もめちゃくちゃすごいと思います。
紹介したふたつのネタをみたの、まだ冒頭たった5分内の出来事なんです。
逆にすごいですね、つくりを分かってるからこそなんでしょうか。
そちらの意味でも唸ります。

高齢者だけじゃない、操られているのは私も…

ひとつ前のセクションでまるで高齢者をバカにしているように感じてしまった方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはないと言わせてください。

自分の考えとのギャップがあったからこそ気づけましたが、自分をターゲティングされたプロモーションに出会ったとき、果たして気づくのかどうかはその時にならないと分かりません。
それこそマーケッターの手のひらの上できれいに4回転ジャンプ決める勢いで踊ることだってありますから。

ですが、「うまいな! 率先してお金出したい!」というものに出会ったときはむしろチャンスで、それを覚えていれば今後、役立てられる時が来るかもしれない。

だから今後も、私は自分の日常に「潜んでいるワナ」を探しながら生活します。
見つかると「なるほどなー!」ってことばかりですから。

その気づきが、いつか役に立つかもしれない。
そう思ってストックしていきます。

たとえ役に立つのが10年後であっても。