マーケティングにおけるペルソナ設定の間違い。

ペルソナ

あるコピーを書いた時、誰もが「すごい」と言った。 でも、実際に蓋を開けてみると・・・

忘れもしない。数年以上前、日本一早い沖縄の桜が咲く時期だった。まだ肌寒いある日の昼下がり、オフィスのデスクでコピーを書いていた。

面白い切り口、斬新なコピーと勢いのある流れ、くり広げられる世界観はまさに、新しい世界の扉を開けたかのようだった。

自画自賛、自己満とはこのことである。

誰もが、『これはすごい!』『流石ですね!』と、言ったかどうかは不明だが、きっと、もしかしたら、心の中で少しは思った人もいたかもしれない。

しかし、実際に反応を見てみると、、

完全なる敗北

正直に言おう。失敗だった。

コピーやコンセプトは確かに面白い。一部(ほぼ全部)妄想が入っているが、誰もが羨むほど素晴らしく面白い出来だったと思う。

しかし、結果は惨敗。

トータルで見ると数百万円のプラスになってはいたが、一プロモーションとしては失敗だった。

・・・なぜなのか?ペルソナの時点で間違っていたのだ。

もう少し正確に言うと、「ペルソナの認識」を間違っていたのだ。

(もう一つ大きな要因があるが、ここでは伝わらないし、外的要因なので省く)

ペルソナとは、ターゲット設定(顧客像)であり、商品・サービスを利用する顧客の中で最も重要な人物モデルのことだ。

ペルソナを間違うと、当然コンセプトも、マーケティングの考え方も丸っと180度変わる。

地図でもスタート地点が変わるとルートも変わるし、行くべき方向が間違っていたら、ゴール(到着地点)まで辿り着けないのと一緒だ。

沖縄から東京に行こうとして、反対にある台湾に辿りつくようなものだw
(もはや海外)

なぜ、間違ったのか?

そして、多くの人も間違いがちな部分がある。
それを紐解いていこうと思う。

・・・・・

ペルソナ設定の間違い

どうも、ロングです。

コピーライティング業界では一番有名なピアノコピーとその流れを、ネガティブに使う人は世界広くとも、おそらく僕だけだろうと思う。(多分)

さて、なぜペルソナ設定を間違っていたのか?
そして、多くの人が間違いやすい点とは?

結論から言うとまず、ペルソナを、身近の人で作っていたからだ。

身近な人をイメージして作ること自体は、悪いことではない。

しかし、ペルソナを、さっ○くんに近い人物像を設定していたのだ。

分からないと思うので簡単に説明する。

本当に失礼な話だが、確かにさっ○くんなら、楽して成功したいという層に当てはまるが、お金を払う層ではない。

例に出して大変申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

でも、実際に僕がやってしまった失敗の事実だから、誰かを傷つけたいとかではなく、正直に共有したいと思う。
(意図的ではないが結果的に傷つけてしまったなら、後日さっ○くんにはせめてもの罪滅ぼしとして沢山ごちそうする。たんとお食べ)

ペルソナは身近な人や実際にいる人を例に具体的にイメージしたり、架空の顧客像として、性別、年齢、名前や職業、家族構成、価値観やライフスタイル、生活背景や趣味嗜好、身体的特徴まで細かく情報を設定することも多いだろう。

しかし、身近に“理想の顧客”になる人がいるなら話は別だが、必ずしも実在する人でなくて良い。

なせなら、ペルソナは、人物モデルであり、顧客像を創り上げて、そこに向けてコンセプトを決めたり、コピーを書いたり、マーケティングをしたりと、具体的な設計とイメージのために設定するものだからだ。

しかしだ。
 

ここからが非常に重要な結論になってくる。ペルソナの“キモ”となる最重要ポイント。

それは・・・
 
 

ペルソナとは、「あなたのその商品に、ビジネスに、お金をたくさん使ってくれるお客さんを設定するべき」だということだ。

そして、「価値観が合うお客さん」だ。
 
 

つまりは、“理想の顧客像”を設定すべきなのだ。
 

少し考えてみてほしい。

あなたのビジネスにおいて、「来てほしくない顧客の共通点」を3つ挙げるとしたらどうだろうか?
 

すぐクレームを言う人?

無料、安いにしか反応しない人?

それとも、熱量が低く、返金とかしてくるような人?

・・・・
 

では、次に、今あげた共通点の逆(理想の顧客)を挙げるとしたら?

・・・・
 

どうだろうか??

答えは明白だ。
 

本来ビジネスは、「価値」と「価値」の交換で成り立っている。

つまりは、商品サービスとして提供する価値と、その対価となるお金の交換である。

商品やサービスに自信があるなら、価値を提供出来ているなら、堂々と胸を張ってお金を頂こう。躊躇する必要はない。

だからこそ、顧客になり得ない層、お金を払わない層をいくら集めても意味ないのだ。

冷やかし客ではなく、適切に、きちんとお金を払う人をペルソナに設定し、マーケティング設計を作ること。

このスタート地点を正しくすることが、まず本当に大事なことだと思う。
 

当たり前だが、こういった勘違いや間違いというのは往々にしてある。

他の人のことなら客観的に見れるが、自分事になると一気に思考も視野も狭まる。

そんな時は少し時間を置こう。

すると、見えてくることも、感じることも、見え方の視点も変わってくる。

客観的に見やすくなるのだ。

そして、第三者視点を磨こう。これは意識と訓練次第だ。薄々と『こうなるだろうな』『もしかしたらあるかもな・・・』という気づいているけど気づかないフリしている内なる声にも耳を傾けよう。

さすれば、扉は開かれん!!!!w

まあ、第三者視点を鍛えすぎても相手の考えていることが分かるから、逆に気を使ったり神経質になったり気づかないフリしたり、考えていることが分かった気になって事実ではないのに勝手に妄想が膨らむというデメリットがあったりする。

要は使いようだと思う。

そんな時は、あえて言う。空気を読まない。それが実は大事だったりする。

その気持ちも分かるし・・・と、それが相手のためだと勘違いして、また相手を傷つけないために言わずに引っ込むのではなく、言いにくいことこそ敢えて言うべきだと思う。

配慮と尊敬も込めて。

話は少しそれるが、あえて言わずに失敗したこともある僕は、ある人に気付かされて、

『あえて言う』ことの大切さ、

『出来ないやつで点を打つと失敗する。だから面を作るために点を打つ人間を間違うな。』

という教訓を得た。

人生を、ビジネスを、一歩飛ばしで、二歩三歩先に進めるほどの気づきを得た瞬間だった。

だから僕は、仕事の関わりが薄い人を除き、期待していない人には何も言わない。

そして、出来ない人には頼まない。

何かを依頼したり、お願いする人はすべからく皆んな、出来る人だ。

人によって考え方や大切にしている価値観はそれぞれだけど、その人の適材適所や実力、仕事への真摯さを知っているからだ。

十人十色。

特色も、性格も、得意なことも、価値観も違うだろう。

皆んなには違った良さがあると思う。
 

その辺りの話はまたいつか。

そんなこんなで、「ペルソナの間違い」の話でした。

参考になれば。

アデュー。