パスタの中でも、群を抜いて人気かつ知名度があるのがカルボナーラ。
もともとはイタリア料理じゃなかったんです。
ま、この逸話は後回しにして、
まずはガチで旨いカルボナーラの作り方を教えましょう。
材料(2人前)
スパゲッティ(1.7mm)・・200g
ベーコン・・100g
オリーブオイル・・60cc
生クリーム・・200cc
パルミジャーノ(なければパルメザンチーズ)・・60g
塩(岩塩が旨い)・・4g
卵黄・・2個
ブラックペッパー・・好きなだけ
作り方
1)フライパンにベーコンを入れ、こんがりソテーする。
(油を敷かずに、焦げ目をつける。
2)ベーコンがこんがりソテー出来たら、オリーブオイルを入れ、
フライパンにこびりついた旨味をこそぎ落とすように、オイルに味を移す。
3)生クリームを入れて、軽くひと煮立ちさせる。
(煮詰めすぎないのがポイント)
4)火を止めパルミジャーノ(パルメザンでもOK)を入れ、
塩を加えよくかき混ぜる。
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これで、カルボナーラソースのベースは完成。
5)パスタを沸騰したお湯に入れ、アルデンテに茹でる。
※1.7mmのパスタなら6分弱程度
6)茹で上げたパスタをフライパンに入れ、弱火で加熱する。
7)火を止め、卵黄を加え手早く混ぜる。
8)お皿に盛りつけて
ブラックペッパーをたっぷり振って完成!
ブラックペッパーはできれば
ミルでその場で挽いたほうが香りが高く美味しい。
粉末っぽいブラックペッパーはNG。
出来るだけ粗挽きが良い。
■生クリームを煮詰めすぎないこと。
■火を止めてから卵黄を入れて手早くかき混ぜること。
この2点を守れば失敗しない。
舞台は第二次大戦後のローマ
ローマにあるデグリアミチというレストランに閉店間際に
駐屯していたアメリカ兵がやってきた。
ところが既に閉店準備をしていた店員は
「もう閉店だ。食材も片付けちまったから、今日は終わりだ。また来てくれ」
と、断った。
しかし、腹ペコのアメリカ兵は
「それならキャンプから食材を持ってくるぜ!ベイべ!」
とキャンプに戻り、
朝食用の
・ベーコン
・卵
・粉チーズ
・生クリーム
を持って、レストランに戻ってきた。
「頼むよ、これで何か作ってくれ。」
仕方がなく、ベーコンを炒め、
生クリームと粉チーズを合わせてソースを作り
パスタと和えてみた。
味見したシェフは、いまいち味が決まらなかったので
黒コショウをガリガリかけて、
「お!一気に味が引き締まった!これならよし」
と提供した。
「もう、シェフも帰っちまったから、残っていた炭焼き職人に作らせた」
「あちこち炭が飛んでるから気を付けて食えよ!」
とジョークを決めたとか。
カルボナーラ=カーボン=炭
という訳だ。
日本では「炭焼き職人風」
という注釈が添えられているが
黒コショウを炭に見立てた、
なんともセンスのいいジョークからついた名称だ。
正しくは
「スパゲッティー・ア・ラ・カルボナーラ」
(炭が飛び散ったパスタ)
である。
よく、日本のなんちゃってレストランで
ベーコンやキノコを炒めて
醤油ベースで味付けして温泉卵など乗せて
「和風カルボナーラ」とか言ってるお店が散見される。
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ぶっちゃけ、大間違いもいいところだ。
「卵」がカルボナーラではない。
黒コショウが飛び散っていてこそ、
初めて「カルボナーラ」と名乗ることができる。
ちなみに、カルボナーラは
イタリアの伝統料理と一味違って
思いっきりアメリカの朝食の食材で作られたパスタである。
イタリアでは
「カルボナーラはイタリアンじゃない」
と言い張るおっさんも、いまだにいるとか。笑
まぁ、日本人からすれば、
旨けりゃいいじゃん・・と思う。
ベーコンを使うレシピを紹介したが、
ガンチャーレと呼ばれる豚のほほ肉の塩漬けや、
パンチェッタと呼ばれる豚バラ肉の塩漬けで作るのがイタリアでは主流。
また、日本人にはパルミジャーノ(牛乳から作るチーズ)が口に合うが
ローマでは「ペッコリーノ・ロマーノ」と呼ばれる
羊のミルクを原料とした、チーズを使う店が多い。
雌羊をイタリア語で「ペコーラ」というところから、
名づけられたイタリア最古と言われるチーズだ。
塩分がかなり強く、本場ローマのカルボナーラは
かなりしょっぱい。
これは、日本人のように
「パスタをメインディッシュ」として食べるのではなく
イタリア人にとってのパスタは
「ワインのあて」であるところからくる味付け(塩分の濃さ)と言える。
元料理人。
50歳の時にフライパンからパソコンに商売道具を持ち替えた。
未だに料理するのが大好き♪