AIに仕事は奪われるのか?

「マーケティングは創造と科学」をモットーに、結果にフォーカスしたマーケティングを研究している川村です。

今日は「未来の考察」ということで話をしていきたいのですが、時々ニュースやSNSとかで見かける、

「AIが発展すると仕事がなくなる」
「多くの人がAIに仕事を奪われる時代が到来する」

などの、人工知能(AI)に関する技術の発展とともに雇用に関する影響への不安や心配を考察してみたいと思います。

要は「AIが社会に浸透すれば単純な仕事はAIに取って代わられる」という点が不安の根幹にあり、自分の仕事がなくなるんじゃないか?という心配から来ている話題ですね。

実はこれ、一応「根拠」なるものが存在していまして、イギリスのオックスフォード大学は「近い将来、現在ある仕事の90%は機械(AI)に置き替えられる」と公表していますし、野村総合研究所は「この先15年で今ある仕事の49%がなくなる」というレポートを発表しています。
※参考:野村総合研究所「労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能」

こういった論点とは逆に、大手会計事務所のプライスウォーターハウスクーパース(PwC)は、AI(人工知能)は人間から仕事を奪うよりも、多くの仕事を新たに生み出すだろうと予測しています。

つまりこの議題・・・様々なところで議論されていることで、その答えをシンプルに導き出すことは難しい・・・要は「分からん!!」ってのが今のところの正しい結論なのでしょう。

ではなぜ「あえて」考察に選んだかと言うとね?

「AIは仕事を奪うのか?」という論点から、少し視野を広げてみてほしいと思ったので取り上げることにしたわけです。

これは「人生をどう生きるか?」という点に繋がる話なので、ただの「AI論争記事」だと切って捨てず、最後までお付き合いください。

所詮AIは「技術」でしかない

「AIがどれだけ進化するのか?」という論点はさておき、どこまでいっても「技術」であり「機械」である以上は、人類が「使うモノ」なわけですね。

かつて「道具」を使うようになり、動物を狩る事も農作物を育てる事も、全てにおいて「効率的」になった時代があり、それから脈々と受け継がれる人類のアイデンティティ・・・それこそ「生み出したものを使う事」

これこそ人類の持つ優れた能力なので、歴史的に見れば「AIも使いこなせる」と考える方が妥当です。

「現在の仕事」は確かに奪われるモノも多いと思いますが、それは「奪われている」のではなく「やらせている」という表現が正しくて、わざわざ人間がしなくていい仕事になるってだけの話。

適応能力の高さこそ人類の武器。
時代が変われば適応していく生き物なのです。

そもそも人類が望んだ技術がAI

AIの究極系をイメージした時に頭に浮かぶのは「スーパー優秀な秘書」であり「労働力」だと思うんですね。

人類が働かなくても豊かに暮らせるように、代わりに生産を続けてくれるのがAI・・・それこそ「人類の望んだ夢」ですよね?

だとするならば、全ての家庭でそれが実現できた時に何が起きるのかを考えてみれば、AIとの付き合い方も見えてくるのではないでしょうか?

基本的に人類にとって必須な「ニーズ(必要性)」と呼ばれるのもはAIでほぼまかなえると考えて良いでしょう。

衣食住は放っておいても手に入る時代・・・そう考えれば原則的に「ヒマ」になるわけです。働かなくてもニーズに困らない時代なので。

つまり、何もビビることではなく「働かなくても生きていける時代」というのはAIが浸透した時代だと言っても過言ではないでしょう。

そうすると「人生の幸せレベル」に差が出るのは「ウォンツ(欲求)」をどれだけ満たしたか?という点。

つまりは「エンターテイメント」こそ人類の次のステージなんじゃないだろうか?

ぶっちゃけ・・・AIの進化が進むと「お金」という概念さえ不要になると思ってていまして、仕事を奪うとか奪われるとかって話ではなく、資本主義自体が保てなくなるのは?と考えています。

そうなると「どうやって幸福度を上げるか?」という点が見えにくいし、予想を立てても仕方がないことなので、その時代が来てみないと何とも言えない部分が大半だ。

しかしそれでもエンターテイメントだけは何となくイメージできる。

楽しいことはやっぱり好きですからね。人類ってのは。

マーケティングもAIの時代へ

ここからは余談だけど、Amazonの「レコメンド機能」に見るように、マーケティングにもどんどんAiが組み込まれてきているわけですが、次第に「最適な広告」とか「最適なページ」とか「最適なアプローチ」とかは、全て機械がやってくれるようになるでしょう。

実際すでにテスト段階ではこういうサービスもスタートしているので、そう遠くない未来に「広告代理店」などの仕事は不要になってくると予測できます。

しかし、AIの基本的な仕組みは「ビックデータ」か「ディープラーニング」のどちらかなので、「すでにある何か?」からしか選べないし最適化できないのがAIの弱み。

言葉を変えるなら「創造性」というモノが欠落しているわけです。機械であるがゆえに。

つまり人間の仕事は「創造」という1点に絞られるので、ある意味シンプルな未来がやってくるのではないだろうか?

どちらにせよ「不幸な未来」はあまり想像できないので、AIによって仕事が奪われようとも、それがそのまま「不幸な未来」にはつながらない・・・むしろ「幸せ度合いは上がる」と考えられるので、AIは決して敵視するようなものではありません。

付き合い方次第・・・そう考えるべきかと思います。

以上です。