私は関東生まれの関東育ちなので、天ぷらというと「江戸前」の天ぷらです。
薄いパリパリの華が咲いたような衣、ごま油の香ばしい香り。
天丼でも、このパリパリの薄い衣の天ぷらに、濃いめのたれをさっとかけた天丼が好みです。
沖縄に来てから最も衝撃だったのが、沖縄の天ぷらがあまりに関東の天ぷらと違っていたこと。
地元の人たちが「ここが美味しいよ!」とお勧めしてくれた「上間の天ぷら」を買いに行きました。
こ・・これは天ぷらというより
「フリット?」
いや・・
「ホットドッグ?」
というぐらい衣が分厚くて、フカフカ・・しっとりしている。
とりあえず、上間の天ぷらで、天丼を作ってみたのがこちら
↓↓↓
うーーん。。カルチャーショック。笑
違う
違う
そうじゃ、
そうじゃな~い~♪
上間の天ぷらは「天丼」として食べる天ぷらではないようでした。
食文化の違い?
沖縄での天ぷらの位置づけは、「おやつ」「スナック」という位置づけのようです。天ぷらを「蕎麦」「ごはん」に載せる食文化では無いそうです。
ぶらっと天ぷら屋さんに寄って揚げたてを1つ、2つ買って、そのまま店先でパクリとほおばる。
そんな食べ方が主流。なので、タレをかけなくても、そのまま食べられるように、衣も味が濃い目。そのままおやつとしてつまんだ時にお腹にたまるように衣も分厚いのだとか。
しかし、江戸前天ぷらも、もともとは屋台で売られていたのが発祥のようですし、食べ方のスタイルとしては沖縄と同じ「庶民のおやつ」からスタートしています。
魚の臭みを消すために、香りが強いごま油を使い、卵+小麦粉の衣でこんがり、香ばしく揚げたスタイルが江戸前天ぷらです。
関西の「野菜が中心」→野菜の味を生かすために衣には卵を入れずに、しかも天つゆではなく「塩」で食べる天ぷらと、江戸前の天ぷらの違いは、なんとなく理解できるのだけれど
沖縄の「分厚い衣」の由来は、やはり「水」の違い「気候の違い」が大きいようです。
沖縄はそもそも気温も暑いので、氷水を使ってもすぐに溶けてぬるい水になってしまう。なので、最初から水道水で粉と卵を溶きます。しかも、沖縄の水はアルカリ性の硬水なので、もともとグルテンが出やすく、粘り気が出るんですね。
関東のグルテンを出さないように氷水で作る衣との決定的は違いは、やはり「気候」と「水」の違いのようです。
でも、この「重たい衣」ゆえに、もずくなども上手にまとまり、天ぷらになるので、これはこれでありですね。
沖縄で食べられる江戸前の天丼?
沖縄では「天丼は食べない」のか?というとそうでもないようです。浦添の牧港漁港にある海鮮食堂「太陽(ティーダ)」ではパリパリの衣の江戸前風の天丼が食べられます。
観光客ばかりかというと、そうでもなく地元の島人(しまんちゅ)も食べに来ていて、いつも満席でにぎわってます。
ここの天丼は明らかに「関東風・江戸前風」の天丼です。
う~ん・・沖縄っ子に聞いても「ティーダの天丼は美味しい」「上間の天ぷらも美味しい」と普通に言うので、食文化の違い云々・・というのも、どうでもいいような気がしてきました。笑
まぁ、あの「沖縄特有の分厚い衣の天ぷら」が誕生した流れが分かったから良しとするか。笑
個人的には、やはり天ぷらは江戸前が好きですね。
海鮮食堂「太陽(ティーダ)」
・沖縄県 浦添市 牧港 5-22-2
・098-875-7744
・月曜定休
・11時~15時30分ラストオーダー
(食材が無くなると早めに店じまいするので、15時30分ギリギリだと食べられない可能性あり)
天丼以外にも美味しそうなメニューが沢山あります。
上間てんぷら
公式HP
元料理人。
50歳の時にフライパンからパソコンに商売道具を持ち替えた。
未だに料理するのが大好き♪