【ディズニー映画】ズートピアから読み解く差別問題と時代の変遷

学生時代「動物のお医者さん」を愛読していた
Briar Roseです📖

〜前回の記事〜

幻の映画「南部の唄」が
抱える問題を踏まえて


今回は「ズートピア」について綴り
アンサー編(続編)を解説します📝



超ハイテク文明社会。
動物が人間のように暮らす大都会🏢

誰もが夢を叶えられる
楽園ズートピア🌏

Zoo(動物)+ Utopia(理想郷)

立派な警察官になることを夢見る
ウサギ(新米警官)のジュディ🐰

幼少期のトラウマで夢を塞ぎ込んだ
キツネ(サギ師)のニック🦊


夢を信じてポジティブにやり抜く
勇気を描いた感動作です😃

キッズでも大人でも楽しめる内容なので
ディズニーファンじゃなくても、
絶対に見ておくべきオススメ作品ですよ💖



まるで人間のような感情を持つ動物たちと
自然界のありのままの動物たち🐰🐻🦊

肉食動物と草食動物

どちらか片方に寄せて淘汰するのではなく、
「バランス良く共存が出来る世界」として

特に差別に根付いている問題
動物たちの立場や目線、考え方から
ダイレクトに描いた作品に思えました🎥


本作ズートピアの見所は、
廃版になった「南部の唄」の問題点である
「差別」についてのアンサー要素です🎬

前回の記事はこちら📝

暗くて重い雰囲気はありませんし、
おすすめポイントはいくつもあるので
まだ観ていなければ必見の作品ですよ❣



キッズでも理解度100%
分かりやすい物語設定📖

一般的にSFやファンタジー作品は
物語設定をシンプルに語るのが難しい場合が多いです💦

説明が短すぎて足りないと全体を把握できないし、
丁寧で長すぎると退屈に感じてしまいます😅

本作『ズートピア』では
草食動物と肉食動物が共存するという基本設定。

冒頭わずか3分で、
キッズでもしっかりと理解できます✌


動物キャラがしっかり仕上がっている

動物の大きさや特徴。

雰囲気や仕草が丁寧に表現されています。

主人公の警官ジュディは
ウサギの“几帳面かつ人懐っこい”という性格🐰


相棒のニックは
キツネが狩りをするときの知恵や観察力を
“詐欺師”という役柄で上手く表しています🦊


他にも数多くの動物の特徴や
立場や目線、考え方など丁寧に描かれています。



世界観が最高

舞台は、動物たちが
まるで人間のように暮らす楽園「ズートピア」

ハイテク文明社会で
服を着てファッションを気にかけ
車や電車に乗り、スイーツやカフェを楽しみ
スマホやPCもバリバリ使いこなします📱💻


大都会だけではなく、
熱帯雨林、砂漠、雪の降るエリアなど
生息動物に合わせたエリアの造形も特徴的です。



物語序盤。

主人公ジュディが、生まれ育った田舎から
大都市ズートピアへ向かうシーンは
観ていて胸が高まります💖




ミステリー要素も魅力❣

分かりやすさが定番のディズニー映画ですが
本作ではちょっと珍しいミステリー展開の
多層構造の物語📖

失踪実験の真相は?

犯人は?

黒幕は?

え、嘘・・・まさかお前が!?


初見はワクワクして観れますし、
2回目以降は伏線回収の細かな演出チェックも楽しい💖

どうせディズニーだったらこういうパターンでしょ?

こんな初見の予想を外してくれるでしょう(笑)



相性抜群!?
ウサギとキツネの異例コンビ

警官ジュディ🐰
相棒のニック🦊

よくあるディズニープリンセスのような
定番的な構図とはまったく違い
2人は対等の立場で信頼し合っているパートナーです。

ジュディは自分の決めた夢を信じて
一生懸命、進み続ける聡明な女性像🐰

ニックは夢を諦めた皮肉屋の詐欺師🦊


価値観も性格もまったく正反対の2人が、
それぞれの動物的長所を最大限に活かして
困難を乗り越え事件を解決します。

私はディズニー映画至上
もっとも好きな「コンビ」です💖


録音機能つきの
にんじんペン🥕

可愛らしいこのアイテム。

使い方の変化もかなり奥深いんですよ。


【序盤】
ジュディがニックの脱税の証拠を音声録音して、
無理やり操作に協力させる。

捜査権限のない私有地にペンを投げて、
取りに行ったニックについていくことで
“許可がなくても入れる状態”を強引につくる。


【中盤】
捜査協力してくれたニックにペンを渡す。

しかもニックの念願だった
警察の応募書類といっしょに!


【終盤】
すれ違った2人。
ニックはジュディにされたことを
やり返して再び捜査協力。

皮肉の台詞もかっこいい。


【ラスト】
事件の黒幕を暴く決定的証拠になる

序盤では
捜査に協力するための道具。


中盤頃には
信頼するパートナーへの贈り物。


終盤は
2人の仲直りを示す


そして、ラストは
事件の黒幕を逮捕する武器になる!

この演出は、最高ですね❣



人間社会に置き換えた設定や演出

文明社会の街並みは、
どこか観たことある雰囲気🏢


たとえば「Just Zoo It.」という看板は
NIKEでお馴染みの「Just Do It.」のパロディ。



他にも

「PREYDA」
プラダ


「Lululemmings」
Lululemon

「Urban Snout-fitters」
urban outfitters


センス良いw

いかにもニューヨーク(ハーレム)っぽい道端で
イタチが海賊版DVDを売ってます。

タイトルをよく見てみると・・・


Pig Hero 6(Big Hero 6)
ベイマックスの原題


Wreck-it Rhino(Wreck-It Ralph)
シュガーラッシュの原題


Floatzen 2(Frozen 2)
アナと雪の女王2の原題


海賊版DVDを売っているイタチの名前は
デューク・ウィーゼルトン

ウィーゼルの意味はイタチですし、

アナと雪の女王に出ていた
「ウェーゼルトン公爵」のパロディにも考えられます。

実際に、この2役は同じ声優
アラン・テュディックが担当しています🎤

パロディ設定も細かくて面白いですね😃



アナと雪の女王
トリビア満載❄

まるでアナやエルサのような服装の
子供のゾウもいます。

警察署長のボゴ(水牛)が
説教をするシーンでは

人生は、夢が叶うミュージカルのアニメとは違うんだ。
だから忘れるんだ(Let it go)

このフレーズ。

思いっきりアナと雪の女王の主題歌
「Let it go」というフレーズを使ってますね😃



ゴッドファーザーのパロディ

作中に登場するネズミのマフィア
「ミスタービッグ」

雰囲気や世界観は
ドン・コルレオーネそのものです。

アルパチーノ(マイケル)じゃなくて
マーロンブランド(ヴィトー)の方🎩

義理人情、ファミリーを大事にする姿勢
“イタリア訛り”の喋り方や、このシーンのBGMも
まさにゴッドファーザーの世界観です。


他にも『トゥモローランド』を思わせる建物や
『ベイマックス』のカフェが映ったりなど

これまでのディズニー作品や
有名映画のオマージュが数多く観られます😃




人種差別をダイレクトに描いている

本作で特筆すべきポイントは、
人種差別問題をきちんと描いていることです。

ズートピアには「さまざまな種類」
動物が共存して住んでいます。

私たち人間で言えば
白人や黒人、黄色人種・・・

住んでいる地域や肌の色だけではなく
思想や価値観など世界中には
「あらゆるタイプ」
がいることを
置き換えて考えることが出来ます。


しかも、本作で描かれる差別は、
奴隷を扱うような極端な内容ではなく

見た目や思想などの違いから、
誰もがしてしまうかもしれない「差別意識」です。

かなり深いテーマなのですが
重苦しくない描写もいいですね😃

LGBTキャラも!?
歌姫「ガゼル」

作中に何度も登場する「ガゼル」は、
ズートピアのシンボル的な歌姫💃

本作の動物キャラたちは、
現実世界に存在する動物がモデルとなって
キャラクターデザインされていますが

本来ガゼル(トムソンガゼル)で
長い角を持っているのはオスだけ♂


あらゆるシーンで、歌姫ガゼルを観てみると
本当はトランスジェンダーということも分かります👀

「角のある天使」と言われているのも
含意がありますね。


幻の映画「南部の唄」オマージュ
(アンサー作品)

📖スプラッシュマウンテンの原作

🎬ディズニー初の実写映画

白人少年と黒人男性の触れ合いや交流の描写が
歴史的事実の誤認を招くとして
激しく抗議された結果・・・

作品は絶版で封印状態

公式Disney+でも配信されていませんし
販売もレンタルもされず廃版の状態です。

社会構造による爪痕を実感しますね😖


本作ズートピアの終盤シーン🎬

ジュディのピンクの上着にジーンズ姿は
『南部の唄』に登場した
ブレアラビットそっくりです🐰

キツネのニックも
ブレアフォックスのような色合いの服ですね👔

差別について避けられない作品『南部の唄』を
ハッキリと意識していることは明らかです💡


『南部の唄』に登場する
ウサギとキツネの関係性は天敵💦

きつねどんは肉食動物として、
うさぎどんを食べようと追いかけ回します。

つまり、自然界における
肉食動物と草食動物の関係性はそのままです。


しかし本作ズートピアでは、
動物的立場も完全に一新されています。

敵対関係にあったウサギとキツネが、
お互いをリスペクトした頼れるパートナー。



自然界の常識を逸脱した
アニメーションならではの展開ですね。


私は、時代の変遷における常識や考え方。
特に価値観の変化が本作に描かれていると思いました。



歴史的に明らかに存在した人種差別問題。
そして今現在も目の前に存在し続けるあらゆる差別

「ないもの」として直視を避けることは
差別を助長させる要因となるのかもしれません💦



「ズートピア」の世界では誰もが何にでもなれて
肉食動物と草食動物が仲良く暮らせる・・・

そんな「理想の街」に見えましたが
現実的には、暗部や深い問題を抱えていました。



ズートピアの世界観は
現代の人間世界と同じに思えます。

かつては「差別的意識」だった両者が
今現在は手を取り合い共存する社会。

動物で言えば肉食動物と草食動物。

人間で言えば白人と黒人。

今の時代はお互いが共存し合って、
差別のない世界で生きているように見える。

しかし、どこかで必ず
過去の遺恨は残ってしまう・・・

今の世界とズートピアの世界観はそう言った面でも、
現実社会に酷似した面は多く感じます。


もちろん、現代社会では昔に比べたら
偏見や差別意識はかなり軟化されていますが

それでも「完全」には変わっていない社会構造を
動物の目線や立場から写実的に描いたのが
本作ズートピア。

🎬南部の唄
(1946年公開)


🎬ズートピア
(2016年公開)

70年後のアンサー作品。

2つのディズニー作品を観て思えるのは
時代の変化による価値観の変化です。


多様性と平和
キッズが観ても分かりやすい問題点

差別や偏見の問題を描いたあらゆる作品は
その多くが「大人」向けです。

しかし、本作はキッズでも分かりやすく、
しかも問題の解決方法を
自分で考えられるようになっています。


悪ふざけやイタズラがエスカレートしたり
“偏見によるイジメ”についても
考えるキッカケになります。



夢を諦めず実現させるエネルギー

主人公ジュディは夢があるからこそ苦しみますし、
相棒のニックは夢に対してトラウマを抱えています。

夢と希望に対する厳しさをしっかりと描き、
けっして綺麗事で終わらせないので
キッズにも伝わるメッセージが内包されています。

何かの夢に向かってチャレンジしている人は
エネルギー源としてチャージできますよ😃


主題歌の歌詞も深い。

🎤オリジナル版
Shakira


🎤日本語版
Dream Ami

どちらも最高❣

聴いてて元気出ます😃

作中で使われるシーンは

☑物語序盤、初めてズートピアに訪れるシーン。
☑ラストのエンドロールのシーン。

同じ歌詞でもタイミング
奥深い意味になっているのも素敵です💖

物語序盤、主人公ジュディは
夢と希望に満ち溢れてズートピアに訪れるので
“どんなことでもやってみよう”という歌詞は
チャレンジ精神と、期待を表しています。

そしてエンドロールのときは
“チャレンジした結果による失敗”も描かれているので

“いつだって新しいミスをしてしまうけどまた挑戦する”

この歌詞が、まさにシーンとぴったりですね。



【結論】
何度観ても飽きない傑作❣

『ズートピア』 で描いているのは、
普遍的に存在する差別や偏見の問題。

そして多様性の素晴らしさ。

アニメーションでしか伝えられない表現方法で、
説教くさくならずに伝えられているのが魅力的です😃


悪意などなくても、
ときには差別意識や偏見を持ってしまい
誰かを傷つけてしまうこともあります💦


その間違いを認めて、少しずつでも
理想的な世界を目指そうというメッセージ。

端々に表れる微笑ましい
キャラクターたちの性格。

奥深い物語設定。

名言の数々。

その1つ1つ、すべてが感動的なので
是非、隅々まで楽しんで観てくださいね😃




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Imagining the Magic

Briar Rose